FC2ブログ

がん(膵臓癌)に出会って初めて判ったこと

家族がステージ4すい臓癌・手術不適から、手術にこぎつけた

論文で発表されているという意味

先日、こんなブログを書いた。
スペシャルさんの闘病の証
タイトルはブログ的には良かったと思うけど、おそらく闘病ブログとしてはあんまり注目されないという(笑)

つまり、ステージ4b で転移もあったんだけど、2年の抗癌剤でダウンステージしたので手術が出来た、ということなんだけど。
これって、膵臓癌的にはかなりレアなケースです。
いろいろと調べてみると、膵臓癌で受診して手術出来るのは全体の2割ぐらいらしい。
そして、手術不可能と診断された患者に、化学療法をやって手術可能になるのは2~3%らしい。

手術不可能といってもいろいろあって、それこそ腫瘍が血管に大きく浸潤している場合から、転移がある状態まで。。。
(だから、この意味分かるまで調べておかないと医師・病院を説得出来ない)
そこで、医師・病院も諦めないでくれたのは事実だけど、患者・家族もその重要性と目標を持っていなかったら、5回の検査なんて受けることは無いと思うんですね。
「何度も何度も検査検査って、何を調べてるんだ?」って感覚は割と有り得ると思うんです。

だから、医師・病院との関係、様々な知識、それが治療の一番重要な部分だと思っているんです。
もし膵臓癌の基礎知識と、現在の病期を充分に理解していない患者・家族の場合、
医療者側としても誤解を避けたいのは当然ですから、治療の限界は低くなります。
つまり、標準治療のど真ん中で、積極的な提案はしない(できない)。
チャレンジングな提案なんてもってのほか。
患者・家族の提案もそれなりの受け入れしか「できない」となります。

僕らだって、途中で何度か(手術を目的とした)検査をする必要が無いになりそうでした。
しかし、そこを医師・病院も踏ん張ってくれたんだと思います。
こういう努力は、ネットのどこを探しても出てこなかったんですね。

だけど、そういう努力は、何の結果をもたらしたのか?
僕のブログだけでは、何の証拠にもならないと思っていたんです。
ブログって、捏造する人すらいるらしいですからね。
それが、この論文によって証明されているんです。

それと同時に、
おそらく僕と同様に、家族を膵臓癌の闘病の末に亡くされた方も大勢いらっしゃると思うんです。
だけど、その方達全てに於いて「自分たちの努力と悲しみは、自分たちが最大だ」と思っています。
それで間違いないです。僕もそうですから。
で、その「大変だった治療の過程と結果」が証明されている。
どれだけの壁を越えてきたのか。

この論文は、もともとカミさんのものだけど、僕にとっても勲章なんです。
ありがたいです。

だから、今思う「膵臓がん診療の攻略」ってまとめたいと思っています。
これから書く記事は、新しい治療法が見つかったとしても、そんなに古くない情報になるはずです。
僕らがたくさん・大きく誤解していた癌に対しての知識の攻略と、
医師・病院との関係の重要性を書くものですから。
それが無ければ、この論文のような結果はあり得なかったと思っていますから。

テーマ: - ジャンル:心と身体

  1. 2019/02/20(水) 02:04:25|
  2. 現在進行形
  3. | コメント:0

作業備忘録

なんと・・・SSL設定するのを忘れていました(^^;
慌てて設定。
  1. 2019/02/18(月) 17:45:31|
  2. 未分類
  3. | コメント:0

がん患者と家族は孤独になる

池江璃花子選手の話題がとにかく多いですね。
「ガンバレって言うな」とか「あんなこと言うのは酷い」とか。

いや、もうそんなのは本人にしては織り込み済みで、もう見ていないし聞いていないです。
他人が正義論振りかざして議論するためだけに使う必要は無いです。

で、僕らはどうだったか?
「頑張れ」もそんなにツラくなかったですよ。だから、これは人による感想なのかな?
いや、相手にも寄るってコトなのかな?
色々と理解している人が言う「頑張れ」は、そういう一切を含めて言うことだから、聞ける言葉なのかも知れないですね。

一番困ったのは、そういう無駄な時間でした。
僕ら自身がを誤解していたように、一般人が正解しているとは全く思えなかった。
例えば、何度も話題にするけど「手術出来ない」っていう意味を正確に理解していない。
そうすると、「○○病院だったら出来るんじゃない?」などの返事になってしまう。
だから、それを説明するためには、手術が出来る条件を知って、そのどれが欠けているか?今は何を目指しているか?
これらを説明しないと「手術出来ない」っていうのが言えなかった。
別に隠しているつもりじゃないけど、言うのを躊躇した。

そして、その話題に付き合う人達全てに共通しているのは、悪意が無いと言うことだったんです。
善意で言ってくれている話が苦痛。
だから、その話題にならないようにしていた。
結果的に隠すことになっちゃうんだろうね。

善意で役に立ったものは、嫌な話だけど「お金」と「時間」だった。
残念ながら、病気のエキスパートは病院にしかいなかった。
生活のエキスパートは、家族(つまり、僕ね)以外いなかった。
楽に治療するだけのお金も無かった。

だから、病院が頼りにしていたのかも知れないです。
だって、病気の本当の姿も、自分たちの苦労も、全て判っていたのは主治医やその他の医師・看護師・・・・

の治療は、本当にたくさんの「知らなかったこと」が多かった。
そんな状況で何かをアドバイスなんて出来ない。
ただ見守るのみ。

患者会が出来上がるのも自然なことだと思う。
それは、傍から見たら「同じ境遇だから」と思うだろうけど、その「境遇」というのはおそらく想像と違います。
病気による苦しみよりも、その病気によってもたらされる様々なことを周りが知らないことによる結果的な孤独だからです。
これを共有しているんですね。

「ガンバレと言うな」とか「必ず治ると言うな」とか、そういうレベルはどうでも良い。
その他の実質的な苦しみは、そういう議論なんだよね。
そんなことは何にも役に立たないのに、自分のコトでみんな勝手に「善意の議論」をしている。
これは苦痛です。

僕らの例をまとめます。
本当に役に立ったものは、「正しい知識と相談者」「経済的な余裕」「時間的な余裕」です。
それと同時の「頑張れ」はありがたいものでした。

テーマ:病気と付き合いながらの生活 - ジャンル:心と身体

  1. 2019/02/17(日) 15:58:47|
  2. 現在進行形
  3. | コメント:0

スペシャルさんの闘病の証

最近、膵臓の記事をたくさん読んでいたし、何故かブログのエントリーも多くなっていた。
ガイドラインへのパブリックコメントも提出していたし。
「これって、もしかして、まだ治療の疑似体験しているだけ?」なんて思っていたけど。。。。
さっきやっと意味が分かった。

2年間の化学療法でDown-Stagingし根治切除を施行した腹膜転移を伴う膵頭部癌の1例

発表そのものは、2017年6月23日
丁度外来で主治医不在で・・・みたいなときだったんだわ。
紙上発表は2018年2月なのかな?

このリポート。。。。まさしくカミさんのことです。

この記事に出会うために、ネットを彷徨っていたのかも知れない。
カミさんの戦いは、今となっては僕のブログでしか判らない。
知るよしもないし、捏造の否定すらややこしい。
だけど、壮絶な戦いの末に大きなものを勝ち取り、最終的には敗れはしたけど・・・
それが、完全に証明されている。
全世界に、戦った証が公表されています。

もっと早く判れば、本人に教えてあげたかったな。

自分でも、かなりレアケースだとは理解していたらしく、手術後の回診の時にはおどけて
「新しい先生が見に来たら、私がスペシャルさんです、って自己紹介するんだ」
なんて言っていました。
だけど、一向にそんな発表がされたとも聞かなかったし、
「うーん、最近は割と有り得るケースだったんじゃない?」なんて言っていました。
どことなく、淋しそうにしていたのが印象的でした。
まぁそんなことよりも、当時はが体からなくなった!って思いの方が強かったですけどね。

カミさんが生きた新たな痕跡がみつかりました。

「よくがんばったね。。。。くみちん」

テーマ: - ジャンル:心と身体

  1. 2019/01/25(金) 16:23:56|
  2. 現在進行形
  3. | コメント:0

ガイドラインのパブリックコメント出しました

ちょっと前の記事で、ガイドラインのパブリックコメントが募集されている、と書きました。
膵癌診療攻略本?

タイトルがちょっとおかしな感じもしますが(^^;

で・・・締め切りが1月28日だったので急いでまとめて出しました。
その内容は、難敵の膵癌に戦いを挑んでいる医療者に向けてのエールのつもりです。
そして、僕らの戦い方をまとめたものかも知れません。

長文ですが、ここに全文を記載しておきます。
(標準治療推奨のように書かれていますが、その他の治療の全てを否定する気持ちはありません)
---ここから

日本膵臓学会 本部学術事務局 様

まずは、困難な膵癌に立ち向かうための多大な労力に敬意を表すと共に、感謝を申し上げます。ありがとうございます。

表題の膵癌診療ガイドライン2019を読ませて頂きました。
いくつかの感想と提案がありますので書かせて頂きます。

1・アルゴリズムの表中にConversion surgeryの検討を入れるべきである。
2・患者・家族とあらゆる方法を使って現在の病態、目指すもの、目指せないもの、そして医療者が最大限の力になってくれるという信頼を築く方法を模索するべきある。
3・市民講座などの一般啓蒙は、より実態を実感出来る方法にしないと患者・家族が社会から孤立する可能性がある。


--
1・アルゴリズムの表中にConversion surgeryの検討を入れるべきである。

不幸にもUR群となった患者や家族は、いくらQOLの重要性を説いたところで「治らない=死ぬ」という未来を突きつけられることになる。しかし「まだ何か方法が有るかもしれない」という気持ちがあるから、民間療法やインチキな治療法に目が行きやすくなっている。これは、治療の目的が延命であるか完治であるかの違いによるもので、実効性が不明であったとしても「今後の生きる希望」をどちらがもたらしているか?の答えになってしまっている感もある。標準治療の限界という考え方よりも、心の問題なのかも知れない。
ところで、

LO1 初診時切除不能である局所進行癌に対するに対する集学的治療後の原発
巣切除は推奨されるか?

にあるように、UR群がCSになり得る可能性はあり、しかもその際には予後は改善出来るという見通しもある。
これをURの患者や家族は目標には出来ないだろうか?
仮に、URのままだったとしても、化学療法をスタートさせることは出来るわけだし初期の治療の希望としては十分だと感じる。

--
2・患者・家族とあらゆる方法を使って現在の病態、目指すもの、目指せないもの、そして医療者が最大限の力になってくれるという信頼を築く方法を模索するべきある。

コラム:患者向け資材(パンフレット)を情報提供の際に用いることは推奨されるか
コラム:医療従事者が患者とのコミュニケーション・スキルを身に付けることは推奨されるか

上記コラムにもあるように、膵癌という現実を突きつけられた患者や家族は非常に大きなショックを受ける。
そして、十分な説明がないままに治療が始まってしまうと、その治療方法そのものが間違いではなかったとしても、治療中は不満・不信感を抱くことも多くなり、それによって医療者側も大胆なオーダーメイドの治療をすることが出来なくなってくる。
そもそも、医療者が膵癌と闘う姿勢を持っていたとしても、本人ではない訳でどこかに他人事が出てくるのは当然である。
しかし、患者や家族にとっては単に病気の治療者ではなく、人生の一大危機に立ち向かってくれるHEROにすらなり得る相手なのだ。
何も、全て患者の言いなりになれという話ではなく、双方の合意があって初めて難敵の膵癌との戦いに挑めるのではないか?
1のCSを目指す話であっても、URに対して「手術は出来ません」というのと「化学療法を頑張りましょう」というのと「CSを目指して頑張りましょう」というのでは、患者・家族の心の救われ方は大きく違う。
もっといえば、その信頼関係を築くことが出来るとすれば、標準治療であったとしても、オーダーメイドの治療をしやすくなり、治療効果は上がるのではないか?と考える。

さらに、膵癌を知れば知るほど寛解が難しいことを知ることにはなるが、同時にその治療に向けて全力で当たっている医療者を知ることが出来るのはなによりもの助けになるはずである。

--
3・市民講座などの一般啓蒙は、より実態を実感出来る方法にしないと患者・家族が社会から孤立する可能性がある。

2にも関わることだが、テレビでの膵癌治療特集や、市民講座に参加してみると当然のことながら内容は健康な一般人に向けたものとなる。そしてそれは、殆どの場合は患者当事者になったときに殆ど役に立たない。
なぜなら、手術・化学療法などがあることを知っていたとしても、当事者になったときに必要なのは「手術が出来るのか?」もしくは
「できるようになるのか?」という治療選択のアルゴリズムの部分になるからだ。

そもそも、一般人は「治る・治らない」という白黒の考え方しかしておらず、治療選択も「どれをやれば治る?」という発想しかない。
しかし現実には、治療成績があまり良くない、奏功する治療方法も少ない。これを一般人は知らず、患者・家族になって初めて知らされ、こう考える。
「自分の病気の話をしたところで、健康な人には判ってもらえない」
これは、一般社会から無言で遠ざかってしまう一因となっていると感じる。

さらに、それでも心優しい一般人は、ネットで「これが効く」とか「抗癌剤は毒だ」とか、善意を持って伝えてくるようになる。
なおさら、孤独になっていくのである。

そもそも、当事者になっていない話を正しく理解するのは難しいのかも知れないが、現在の社会啓蒙方法では全く足りていないということも、知っておいて欲しい。

--

以上が、パブリックコメント本文です。

少し私のことを書いておきます。
2014年の6月に妻が膵癌と診断されました。東北大学病院に転院しましたが腹水洗浄細胞診陽性から、腹膜播種を伴い、その間化学療法を続けましたが卵巣転移もありました。しかし、卵巣の腫瘍は摘出後の検査で癌だと判ったため結局は転移巣が無い状態で、通算5回の洗浄細胞診・腹腔内内視鏡検査の陰性を勝ち取りCSとなりました。
http://fit393.blog.fc2.com/

最終的には、8ヶ月後局所再発となり、昨年2018年の5月に3年11ヶ月の闘病生活に幕を下ろしました。
しかし、東北大学病院の元井准教授をはじめ、たくさんの方と充分な話し合いも出来、17回の入院と大小併せて11回の手術を乗り越えて来れました。これはおそらく、信頼関係とその都度のディスカッションによるものだと思っています。

最初の2ヶ月で、なかなか治療が始まらないことに怒った僕らに対して、当時の主治医が2時間以上かけて病状の説明と、治療の方針、可能性など丁寧に説明してくれたところからはじまっています。
それまで、親戚や友人などの話から知っていたがん治療の知識が、噂話レベルでしかなかったことに気がついた大事な時間でした。こちらもそれからすごく勉強をしました。
このような関係があって、はじめて標準治療内でも積極的なオーダーメイド治療が出来るのではないか?と感じたのです。

医療者が、この難敵に立ち向かって全力で当たったとしても、現在のデータとして示されている値は、5年生存率が1桁というものです。この時、患者・家族側が正しい知識を持っていない中で、どのように戦うのか?そして、またたくさん敗れていく・・・
医療者のモチベーションはどうやっているんだろうか?と思ったものです。

患者・家族が望むのは、まずは「治ること」です。それは現実的ではないのかも知れません。だけど、それを納得して消化する
ためには、確立した治療法ではなく、心通わせる医療者であると思います。

今の、医療者が時間的にも、対訴訟的にもいろいろと厳しい立場に立っていることは判ります。しかしそれでは、標準治療の大道で「5年生存率1桁」に平均化されていくのは目に見えています。
どうやって、そのちょっと上を目指すのか?それが、お互いの信頼関係とちょっと上へのチャレンジではないか?と考えています。それによって、生存率は少しでも上に向くのではないか?とも思っています。

長々と書きました。

ありがとうございました。

----ここまで

テーマ:医療・病気・治療 - ジャンル:心と身体

  1. 2019/01/24(木) 15:30:14|
  2. 現在進行形
  3. | コメント:0

プレスリリース「切除可能膵がんの新たな標準治療として術前化学療法の有効性を証明」

【プレスリリース】切除可能膵がんの新たな標準治療として術前化学療法の有効性を証明 – がんのなかでも最も治療成績が不良な膵がんの治療成績が向上 –

東北大学病院からのプレスリリースです。
もっと詳しくは、
https://www.hosp.tohoku.ac.jp/wp-content/uploads/2019/01/tohokuunov_press_20190122_01_tuh.pdf

簡単に説明すると、
切除可能な膵癌であっても、すぐに手術するのではなく、事前に化学療法をすることによって治療成績が上がるというものです。
まずは、手術可能と診断されたとしても、手術の日程までしばらくあるのが普通なので、とっとと化学療法を開始してしまって、それから手術をして、その後更に術後化学療法をするのがいい、とのことです。

これはいろいろと良いことと悪いことがありますよね。
僕らもそうだったんだけど、と判った時点で「とっとと手術して欲しい」という切実な想いがあります。
ここで「いやいや、まずは化学療法をやりつつ手術の日を待ちましょう」って聞かされたとすれば
「なんて悠長なことを言っているんだ」という誤解が生まれる可能性があります。
当然、開腹時点で播種が見つかって、そのまま閉複。腫瘍は取れなかった・・・なんてなった場合は尚更でしょう。

それとは別に、ボーダーラインの場合に
「とにかくまずは化学療法スタートさせましょう」というのは言いやすくなったのかも知れません。
切除不能の場合にも「もし手術となった場合でも、術前化学療法はかなり有効ですから」と言いやすい。

ただ、これらを説明するにしても、今まで通りの簡単な説明で治療が決められるのではなく、治療戦略の丁寧な説明と相互理解が求められていると言うことになりましたね。
今まで、「ガンが取れないので手術出来ない」とか単純に説明してしまっていたものが、治療工程を全て説明しなければなりません。
やっぱり、それの理解のためには、患者・家族の正しい知識と理解は重要なんでしょうね。


さて、このプレスリリースを読んで気がつくことはないですか?
そもそも、手術まで時間があるのだとすれば、その間にできるだけ手当てをするっていうのはそんなに不思議なことではないはずです。だけど、それを「推奨する証拠」がいままでなかったわけです。
簡単にエビデンスって言っちゃいますけど、こういう地道な積み重ねによって「標準治療」は確立されていきます。
だから標準治療はかなり慎重に、丁寧に築きあげられているわけです。
これを忘れてはいけません。

テーマ: - ジャンル:心と身体

  1. 2019/01/22(火) 19:26:52|
  2. 現在進行形
  3. | コメント:0

膵癌診療攻略本?

膵癌診療ガイドライン2019 第5版 公開前パブリックコメント募集のお知らせ

ブログタイトルは、あくまでも「膵癌攻略」ではなくて、「膵癌診療攻略」ですよ(^^;
上記リンクは、膵癌診療のガイドライン、つまり膵臓癌の治療を標準治療中心にした場合に、どうするべきか?
もしくは、どうしたら良い結果が出ているか?それによって、どう治療方針を立てるべきか?
という、医療従事者向けのガイドラインが2019版として公表されるので、意見募集となっているわけです。
確か、前回のガイドラインは2016発刊だったと思います。

なぜこれが「診療攻略」になるのか?
「医師や病院が決めたとおりの事を知っていても、結局ハイハイって聞くだけと同じだろ?」と思ったあなた!
間違っています。

ガイドラインは「こうしなければいけない」というルールではありません。
様々な治療戦略に対して、どうしたら良いと思っている医療者が多いか?
または、その根拠となっている資料は何か?
で、日本膵臓学会として発表する「平均値」と「その振れ幅」が書かれています。

だから、簡単に言えない様々な症状や病期によって、どういう治療が良いと思われるのか?という一つの指標です。
おそらく、それが病院や医師のメインの方針になるはずです。
ところが、必ずしもそれだけとは限らない。

例えば、術前化学療法が術後の予後が良いだろうというのは判ってきています。
だけど「そんな抗癌剤を数ヶ月やっている間に、手術のタイミングを逃したらどうするんだ?」
という意見だって当然あるでしょう。

これが、病院内での話だけではなく、病院・医療者と患者・家族で違っている場合もあります。
ここで「なぜ病院側は、こうやってくれないんだ?」という思いだけでは、医療者に強い決意を伝える事は出来ません。
「なるほど、Aという治療を推薦してきたのはこういう意味か、だけどBでやりたいんだよ。まだ十分に判っていないけどB」
みたいな話をしていけるわけです。

そして、このガイドラインを理解できる状態になると言う事は、医療者とかなり距離が縮まった話になるはずです。
なぜなら、単純な病期のステージではなく、細かい状態を知る事が出来、
何のための検査なのか法海も深まります。

僕らが、コンバージョン手術ができてのは、化学療法が奏功したからなのは当然です。
ですが、その奏功してコンバージョン手術の条件を知っていなかったとすると、
おそらく5回の腹水洗浄細胞診や内視鏡検査は我慢できなかったでしょうし、
4回目の卵巣腫瘍摘出の際に、医師から転移ガンだと思われると言われても
「でも、先生、それ取っちゃっているんですよね?ってことは、転移巣は今現在体内には無いって事でしょ?」
と食い下がる事は出来なかったと思っています。
http://fit393.blog.fc2.com/blog-entry-1.html
(このあたりの内容です)

このガイドラインを知って、医療者と一緒に戦っていくべきです。
それによって、幅がある標準治療の、かなり上の部分を狙う事が可能になるはずです。

医師と話が出来る時間は限られています。
基礎的な事は自習しておけば、医師の説明時間が短くて済みます。
ということは、もっと別の細かい事を質問したり、お願いしてみたりする事が可能になるのではないでしょうか?

だから、ガイドラインは「攻略本」なんです。


テーマ: - ジャンル:心と身体

  1. 2019/01/18(金) 23:53:36|
  2. 現在進行形
  3. | コメント:0

「まとめ」記事感想【膵臓がんをあきらめない】

【膵臓がんをあきらめない】シリーズ5回の各々の感想は以下に書きました。
http://fit393.blog.fc2.com/blog-entry-136.html
http://fit393.blog.fc2.com/blog-entry-135.html
http://fit393.blog.fc2.com/blog-entry-134.html
http://fit393.blog.fc2.com/blog-entry-133.html
http://fit393.blog.fc2.com/blog-entry-131.html

で、それをまとめの感想を書きますが、賛否両論の意見になると思います。
もし必要でしたらコメント頂ければ嬉しいです。

まず、以前市民講座に行ったときもそうだったのですが、この記事内容にもがっかりしたというのが本音です。
というのは、一番は「患者・家族の立場になってからは、この内容では全く不足だ」ということです。

生存率の話も、よくよく読んでみると「早期発見が大事だ」ということになっています。
そんなことは、誰でも判っていて、日常生活で特段注意を払っていない人はいても、意識的に検査を遠ざけている人はいません。
早期発見の話は、個人の話であってその時点では罹患していません。
未だ罹患していない本人に取っては「生存率」は全く関係ない話なのです。
寛解するかどうか?の可能性を高めるのは早期発見、こんなことは知らない人はいません。
つまり、この記事を読んでいる「罹患していない一般人」にとって、生存率はどうでも良くて、万が一罹患したとして自分は治るのかどうか?だけが興味なのです。
生存率を意識するのは、罹患した本人・家族です。
乱暴な言い方をすれば、「生存率」という言葉を使っているのは、患者・家族とその病気の医療関係者だけです。
これら記事の書き方は誰に向かっての記事なんでしょうか?

治療方法に関しても「何故その治療をするのか?」が明確になっていません。
もっと言えば「何故手術が出来ないのか?」が理解できません。

野球に例えることが多いのですが、野球のルールを説明したところで、それだけで監督の指示には従いません。
「なぜこの人が4番打者なのか?」という誰もが判っていそうで実は明確に判っていないこと、これが誤解を生みます。
様々な治療法は選手だと思って下さい。

もしあなたが監督だったら、どういう采配をしますか?
「打率5割で、そのうちの8割はホームランなんだけど、故障が多くて全体の試合数の1/3しか出場しない」
「打率4割で、殆どがヒットになる」
「打率2割だけど、そのうちの殆どが長打になる」
そしてシーズンを戦います。
これらのオーダーを考えるとき、色々な条件を思い巡らせるはずです。
単に「成績が良い」なんて言葉では図り得ないいろいろなことがおきるわけです。

野球に例えたがん治療ですが、そもそも一般人は「これをやれば治る」っていう経験しか無いから、そういう見方で治療を選ぶかも知れません。
短期決戦ではなく、長期戦、シリーズ戦、っていう考え方に切り替える必要もあります。

さらに、どうやったら監督とコミュニケーションが取れるのか?
バット・グラブという単語すら知らないということはないでしょうが、スイング・スローイングなどになると怪しくなっていってれば
監督としても「いいから言ったとおりにだけヤレ」となるのは目に見えています。
逆に、細かい単語も分かっていて、戦略的にも理解のある選手だったら、監督も使いやすいでしょうし、新たな戦略を立案して実行させてみたいとも思うでしょう。

このあたりの絡みが全くないカタログ的な「現代の膵臓がん治療」を見せられても、一般人の基礎知識にもならないような気がします。
さらに、患者・家族はその選択の意味を知らない場合に、不信・不安が増え、さらにあまり効果の無い治療に時間とお金を使ってしまうかも知れません。

こうやって考えていくと、今の治療法・化学の限界はありますが、それをフルに使う方法を考えた方がもっと効率が良いだろうし、その結果生存率は上がるような気もするんです。

監督はこう考えるでしょう。
「おかしな戦略だと思われるよりも、オーソドックスな方法を使っておいた方が文句は言われないだろうな」と。
だけど、選手によってはこんな人もいるでしょう。
「監督、フルスイングさせて下さい。ちまちまヒットを打って打率が上がるよりもホームランバッターになりたいんです」
「監督がいうなら、バントだって盗塁だってやります。だけど、それは監督の信念ですよね?」

そうやって、チームワークを実らせることができれば、単に個人個人の技量以上の結果が出てくる可能性があると思うんですけどどうでしょうか?
そしてそれは、膵臓癌に限らず、他の病気の治療に関しても同じ事が言えると思うのですがどうでしょうか?

テーマ: - ジャンル:心と身体

  1. 2019/01/15(火) 10:58:14|
  2. 現在進行形
  3. | コメント:0

記事感想【膵臓がんをあきらめない】臨床研究、化学療法…進歩し続ける膵臓がん治療

【膵臓がんをあきらめない】臨床研究、化学療法…進歩し続ける膵臓がん治療
連載の第5弾、最終回です。
臨床試験についてと、コンバージョン(手術可能になること)、緩和医療について書かれています。

臨床試験については、誤解を受ける場合もありますよね。
僕の知人でも「人体実験」だと思っていた人がいましたから。

大体の臨床試験は、そんな得体の知れない治療を試してみるなんて事ではありません。
例えば、ウチでも(結果的にはできなかった)試してみたのは、パクリタキセルの腹腔内投与でした。
これは胃がんでは保険診療になっているんですね。
方法を説明されると「なるほど」と頷ける治療ですが、膵臓癌ではまだ保険診療とはなっていなかったんです。
http://fit393.blog.fc2.com/blog-date-201410.html
このあたりのことだったかな?
こういった詳しい背景説明なども含めて、患者や家族は判らないことばかりで現実に立ち向かうことになってしまうんですね。

あとで全部まとめた記事を書くつもりです。

で、緩和科の話。
これすごく大事なことです。
まず、当然痛みの問題もあります。精神的な不安や様々な問題を抱えることになります。
この時、主治医は外科や内科でしょうか?専門ではないんですね。
だから、痛み・精神安定の専門、緩和科はすごく力になるんです。

やっぱり、痛みはあって当然なんて思ってしまうと
主治医に「痛みはどうですか?」なんて聞かれても、「ええ、大丈夫です」なんて答えてしまいがちです。
不安があるのも当たり前、痛みが有るのも当たり前・・・だけど、今は我慢できるから「大丈夫」と。
そうすると、主治医はそのことは「問題が無い」と思ってしまいます。

我慢する必要は無いんです。
ウチの場合は、痛みの他に、不安、鬱、睡眠不足など、細かいことも相談していました。
ただ、ちょっと出会うのが遅かったので、後で少し困りましたけどね。
あ、そういえば、なかなか筋力回復しないから、増強剤的なものも処方してもらってました。

何も遠慮することはないんです。
素直にありのままに体の不調・耳路の不調を訴えて良いんですよ。

テーマ: - ジャンル:心と身体

  1. 2019/01/14(月) 01:04:11|
  2. 現在進行形
  3. | コメント:0

記事感想【膵臓がんをあきらめない】高齢者、持病ある人に優しい放射線治療

【膵臓がんをあきらめない】高齢者、持病ある人に優しい放射線治療
第4弾です
ここでは、放射線治療について説明されていますが、もっと重要なことが書かれていました。
「~放射線治療の副作用を抑えるために、通常は推奨されない「休止期間」を設け、実績を残している。」というところです。
放射線療法も化学療法(抗癌剤)も、だいぶ副作用が少なくなってきているとはいえ、その大小は個人個人様々です。
大事なことは、続けられる治療ということで、強さではないんです。
ただ、その場合でも丁寧な説明がないと患者や家族にとっては不安感・不信感の原因になる場合があります。
「あの時、頑張って治療を続けていた方が良かったのでは無いか?」
「抗癌剤を減らしたから転移したんだ」
などの部分です。

そもそも、続けられない治療よりも、続けられる治療の方が効果が上がることは、経験豊富な医師ほどよく知っています。
人によって効果も副作用も度合いが違っているとすれば、結果的に「治療できない」のと「効果が期待できない」は同じ事だからです。

抗癌剤も放射線治療も、それそのものでがん細胞を殺すのではなく、細胞分裂時に働きかけるものです。
このことを患者や家族は理解できるでしょうか?という問題はあるんでしょうね。

やっぱり、患者・家族は勉強が必要ですね。

テーマ: - ジャンル:心と身体

  1. 2019/01/13(日) 01:02:51|
  2. 現在進行形
  3. | コメント:0
次のページ

FC2Ad