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がん(膵臓癌)に出会って初めて判ったこと

家族がステージ4すい臓癌・手術不適から、手術にこぎつけた

そのとき

**これから書く内容は、5月22日のことです
**闘病中の方はテンションが下がるかも知れません


朝、5時に目覚めてしまいました。
看護師さん達は、夜中に何度も様子を見に来たようですが、疲れた僕は殆ど覚えていませんでした。
目が覚めたら、先週のように回復していないかな?と淡い期待を持って目を移しましたが、その期待は成就しませんでした。

昨日よりも浅い呼吸の回数が多くなっています。
まだ目を開けたままですが、視点は定まっておらず、問いかけにも答えられません。
まつげに軽く触ってみますが、昨日は瞬きの反応がありましたが、今日は反応がありません。
気を落ち着かせるために、まずはコーヒーを探して飲むことにしました。

7時になった時点で、僕の両親と、本人の弟、従姉妹に連絡しました。
本人が「親友」と言っていた人が判らなかったのですが、スマホから手当たり次第に掛けて連絡します。
近親の人以外には、この病気のことを伝えていなかったので、皆一様に驚きます。
申し訳なく思います。

お昼あたりから、下顎呼吸が始まりました。
もう、その時を迎えることを避けられないとあらためて悟ります。
苦しそうにしているので、酸素マスクをしていますが、痰などで2度ほど呼吸が止まりかけます。
その度に看護師を呼び吸引します。
なんとか、最後に意識が戻って欲しいと思いますが、また逆に、苦しい思いを認識させたくないという思いも交差します。

僕の父にも、母にも、元気になってから会いたいと言っていました。
父・母は、会いたくて会いたくてしょうがなかったのですが、本人の治療を優先したいと言って会わせないでいました。
申し訳ない気持ちでいっぱいです。

バイタルサイン(脈拍・呼吸数・血中酸素量など)は、小さなモニターで見られるようにはなっていましたが、大きなモニターが運び込まれました。
それによって、酸素量も僕が勝手に変えて構わないことになっていました。
ただ、そのモニターは、おそらく一番嫌な瞬間を確実に伝えてくることになるのでしょう。

僕は、何度か電話をするために病室を出ました。
歩いて20秒ぐらいのところですから、すぐ近くの場所です。
例えば、本人が店舗営業を継続するためには、役所の店舗視察を受ける必要がありました。
その際、本人が立ち会う必要があったのですが、配慮してくれていて、僕が立ち会う約束になっていました。
それが明日の予定だったからです。同時に、その近所のお客様に品物を届ける予定もありました。
その二つを事情説明して延期して頂くためでした。

その3回目の電話が終わったとき、見舞っていた従姉妹のお嬢さんが僕を呼びに来ました。
「戻らないとダメです」
確か、こんな事を言われたような気がします。

急いで病室に戻ると、呼吸が止まったばかりのようでした。
抱きかかえて、声を掛けますが、呼吸は再開しません。
看護師も呼びましたが、特に手を打てる状況ではありません。
横になった状態のまま、何度も揺すりますが、1度大きく息を吸ったように感じました。
もちろん、これが自発呼吸ではなく、単に気道が開いて空気が入り込んだだけというのも知っています。
が、大きく息を吸って、と声を掛けるしかありません。
一時的に、血中酸素濃度の表示が上がりましたが、心臓は動いていないようです。
さらに、もう一度空気を吸ったように感じましたが、モニターからは警告音のみが鳴っている状態になりました。

主治医が、いたたまれなくなったのでしょう。
僕に声を掛けて、生体反応を確かめます。
そして、亡くなったことを伝えられました。

僕は、後ろから抱きかかえてあげたいので体を起こして欲しい、と看護師にお願いしました。
そして、感謝の気持ちと、いくつかのお願いをしました。
そのお願いは、現実的ではないものですが、9月に行われる一緒に出席予定だった結婚式の時に、何か僕らに判る合図をして欲しいというもの。
もうひとつは、一年後の今日、同じように何かのサインをして欲しいというものでした。

抱きかかえて判ったことがありました。
足の浮腫も酷かったのですが、体の浮腫、そしておそらく腹水も感じられました。
本人は、そのことを自覚していたでしょうが、僕には伝えないでいたようです。

しばらく、そのまま抱きかかえていました。
その時に、友人がやっと病室に辿り着き、僕に抱かれながら永遠に眠っている姿と対面しました。
一般病棟だと言うことを忘れて、涙を流しました。

看護師にお願いして、ベッドに横になるようにしてもらいました。
着替えをさせるというので、前回の入院の時、退院の用に買ったパーカーを着せて欲しいと頼みました。
今回も、退院のために着せる予定でしたから。

こうして、最後の退院は、僕らは別々の車で病院を後にすることになりました。



**
記事は、5月22日のことを、6月1日に書いたものです。
よって記事の日付を、5月22日に変更しています。
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