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がん(膵臓癌)に出会って初めて判ったこと

家族がステージ4すい臓癌・手術不適から、手術にこぎつけた

腹腔洗浄細胞診陽性の意味

「洗浄細胞診」と書いていますが、正しくは腹腔洗浄細胞診と言うようです。
面倒ですし、意味は通じますので洗浄細胞診と言っています。
術前の洗浄細胞診の場合は、手術の開腹直後に行うものを言います。

で、なにをやるのか?
腹腔、つまりおなかの中に胃や腸や膵臓などが袋に入っているような状態ですが、その袋の中に生理食塩水を入れます。
これを撹拌せずに取り出して、顕微鏡で観察します。
もし、そこにがん細胞があった場合、転移(腹膜播種を含む)の一歩手前と考えられています。
これは、原発のがんがおなかの中にがん細胞をこぼれさせている状態で、このがん細胞が腸の上にとどまって成長したりすると、外部からがんが転移した状態になります。
腹膜播種は、これらがん細胞が成長して米粒のように散らばって存在していることを言います。

洗浄細胞診で陰性であると言うことは、原発のがんを取り除けば、体の中(腹腔内)には、転移の原因となるがん細胞が存在しないだろう(実際には、血液やリンパによって転移する場合も多いので、可能性が下がるというのが正しいか?)という考え方から、手術前の洗浄細胞診は、無用な手術(せっかく手術をしてもすぐに転移する)を避けるために利益がある、とされています。
が、実は、洗浄細胞診陽性であっても手術後の予後が変わらないとする論文も出てきているために、答えがグレーになっています。
http://www.suizou.org/pdf/pancreatic_cancer_cpg-2013.pdf
CQ-2-2

つまり、ここは、病院の立ち位置や、医師の立ち位置によって変わる可能性がある部分です。

まぁ、ただ、この時は、僕もガイドラインをよく読んでいませんでしたし、排除できる転移の可能性だとすれば尊重できるな、とは思っていました。
もし、この部分で手術不能と判定されている方は、医師にガイドラインの考え方を聞いてみた方が良いかもしれません。

で、ウチの場合は、洗浄細胞診陰性と、腹膜播種の内視鏡検査で陰性であることを手術の条件として目指したわけです。
これは、結果的にはちょっと遠回りすることの原因にはなったのですが、おそらく今思うと、この「洗浄細胞診が陽性でも手術をして下さい」と言わなかったことが1つの良い条件を作り出します。
それは、(あくまでも医師の話ですが)手術をするにしても、術前に抗癌剤を使うと、予後が良い傾向にあるとのことでした。
おおよそ、10ヶ月ぐらい・・・・長いなー
その間に、抗癌剤が効かなくなる可能性だってあるんですから。
だけど、結果的にウチの場合は、洗浄細胞診を陰性にするべく抗癌剤治療の道を選んだので、結果的にはこれから28ヶ月ぐらいの抗癌剤治療の期間が始まりました。

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  1. 2014/08/16(土) 22:06:06|
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1回目の洗浄細胞診

たくさん書いてきましたが、まだ病気発覚から1ヶ月分になっていません(^^;
時系列はここ。
http://fit393.blog.fc2.com/blog-category-2.html
やっと、2014年の8月の話になります。

先生とちょっとやり合ってしまった直後でしたが、お互いに良い関係になりつつある・・・
そんな3回目の入院が、洗浄細胞診のためのものでした。

ちょっとおさらいしますと、
洗浄細胞診と腹腔内観察を行います。
これは、おなかの中に生理食塩水を入れ、それを取り出し、がん細胞が浮遊しているかどうかを確認する検査。
そして、内視鏡によって、腹膜播種(がんが腸の外側や腹膜などに散らばって小さな塊を形成)になっていないかを確認します。
これらが、プラス、つまり浮遊がん細胞がある、腹膜播種がある、となると、転移の可能性が高い(腹膜播種はそれ自体を転移とみています)ので手術の適用外になってしまう、というものです。
まぁ、控えめに言っても、ステージ4ってことです。

結果から言うと、この1回目の検査では、腹膜播種はなかったのですが、洗浄細胞診はプラスとなってしまいました。
つまり、腹膜播種や転移になる原因がある、ということです。
この結果を聞いたときですら、僕は楽観視したかったようで、先生に
「これは、点数で言うと70点位って事でしょうか?」なんて聞いています。
もちろん、先生はそれには答えず、
「点数で言うことは出来ないけれども、この状態で手術することは出来ない」と言われました。

だけど、まだこの時点では、そう遠くない時期に、手術に行ける?と思っていたような気もします。
実際は大変でしたけどね。

主治医から改めて検査結果が伝えられ、一つの治療方法が提案されました。
それが、パクリタキセル腹腔内投与臨床試験でした。
詳しい話は翌日に担当医から説明する、とのことでした。

簡単に言うと、血管から点滴を使った抗癌剤投与をするのでは無く、腹腔内、つまりおなかの中に直接抗癌剤を投与する治療。
これだと、全身投与となってしまう抗癌剤の副作用が若干軽くてすみ、さらに濃度の高い抗癌剤を局部的に投与できる可能性がある、と。
もちろん、通常の抗癌剤の選択もあるし、積極的な治療をしないという選択肢もある、と。

この治療方法は、特に胃がんの腹膜播種に対しては、保険承認が下りている治療方法でした。
方法と薬剤は同じ、だけど治療する病気が違う。
こうなると、途端に保険診療じゃなくなるわけです。
これが、ちょっと前のエントリーで書いた「保険適応の薬でも、病状によっては自由診療となってしまう」というものでした。

理屈から言ったら、非常に単純明快。
血管から、患部へ抗癌剤を届けるために、全身を回っている血液を利用する(いわゆる点滴)と、全身に対しての(正常細胞に対しての)副作用と、濃度のバランスで、どうしても強い治療が出来ない。だから、直接患部に抗癌剤を振り掛けようとするわけです。それが、胃がん前提であれば保険診療。
膵臓がんでは治療成績がないために、まだ保険診療になっていない。
だから、臨床試験という形でデータを取る。
これ、理屈は判りやすいですよね?

臨床試験だと保険診療になっていないけど、自由診療の金額を払う必要はありません。
これ、断る理由が見つからなかったんですよね。

体に、ポートという注射の入り口のようなものを埋め込みます。その先にチューブがあって幹部の近くに導かれています。
ポートから外部点滴をすると、薬剤が幹部の近くに流れる、と言う仕組み。
ただ、ポート設置の外科手術が必要ですけどね。

それよりも、臨床試験というイメージ。
友人とかの昔の話の「人体実験」という言葉。
これも、かなり誤解されて伝わっていたんだろうな、と。
例えば「試験的な治療ですが、新しい治療方法がありますよ。受けてみませんか?」とだけ説明されたとすると、かなりの高確率で誤解しますよね?

だから、医師との相互信頼関係が必要なんです。
説明して理解できる患者・家族だ、ということを、医師に認識してもらっておく。
一番大事な部分のような気がします。

で、やるとすれば、設置手術が必要とのことで、担当医から翌日説明を受けることになりました。
  1. 2014/08/15(金) 01:55:21|
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医師との信頼関係(3)

医師、病院との信頼関係とは、ただ単に「本当に頼って良い相手」という意味では無いと思います。

あるとき、もうちょっと治療が進んできてからの話ですが、先生がこんな話をしました。
「だいぶ抗癌剤の効果が出ているようで、腫瘍マーカーも下がってきていますね」と。
だけど、通常、膵臓癌で使われる腫瘍マーカーのCA19-9 は、最初の検査からずっと下限値でした。
これは、血液検査の度に渡される数値の結果表にきちんと書かれています。

そこで、僕は先生にこのように聞きました。
「先生、膵臓癌の場合CA19-9を見るのが一般的でしょうが、ウチの場合、ずっと下回っています。これは、ルイスA抗原がマイナスだからじゃないでしょうか?だとすると、DUPAN2はどのようになっていますか?」と。
先生は改めて、DUPAN2 のグラフを指し示してくれました。

「そうでしたね。大学病院では、DUPAN2の検査は外部依頼しているので、当日には結果が出ていませんでしたね」と。

CA19-9は、膵臓癌でよく使われるマーカーですが、日本人の1割ぐらいがこのマーカーが反応しません。
この場合、別のマーカーを参照するわけですが、どうもマーカー異常=癌の活性化とはいえないようです。
というよりも、それまでの癌の病勢と、マーカーの上下をリンクさせて、その人独自の相関性を探して判断する、というのが正しいニュアンスです。

ここで大事なのは、主治医に「この患者と家族は、ここまでは勉強しているんだな」と知ってもらうことです。
そして、それを知ってもらっていたとすれば、
例えば「今日の血液検査の結果で、来週治療方針を決めましょう」と言った場合、
「え?今日のこの検査表ではダメなの?」という不安にならずに済むので、医者としても言える巾が増える・・・
これは、医者が提供してくる情報が増えると言うことなんです。

患者が、専門用語や医学知識があると、医者としても簡潔な説明ができるようになります。
本来は丁寧な説明をするのが正しいのでしょうが、医者も時間に追われていたりすると、大まかなニュアンスでしか説明しなくなってきてしまいます。
医者に、こちらの理解力を示すというのは、逆の立場なんだろうけど治療での信頼関係を築くのには大事なことだと思います。

少なくとも、抗癌剤とは何かを知っている。
手術適用という意味を知っている。
副作用という意味を知っている。
こういう前提がない場合、往々にして患者側は「先生にお願いします」とか「おまかせします」と言いがちです。
ですが、今の医療現場では「どのようにしますか?」と必ず聞いてきます。

訴訟対策というわけではないのですが、医師の助言によって患者が自らの治療方法を決定しない限り、医師としても冒険は出来ず、ごくごく普通の治療に逃げるしかなくなってしまいます。
リスクとゲインを天秤に掛けたとき、医療者側がリスクを取って患者の予期せぬリスクを上昇させるわけにはいかないからです。
がんという病気では、まだ決定打となる治療法が見つかっていません。
医師はそれでも、なんとか最善を尽くそうとします。
その時に、リスク無き普通の治療で生死の問題を進めたくなかったのです。

リスクとゲインを理解するには、それを説明してもらう必要があります。
あくまでも治療方針を決定するのは(無理な治療をやってもらうのではない場合)患者が選択することです。
詳細に説明してもらうためには、こちらの理解力を判っていてもらわないと、大雑把な説明になりがちです。

これが、医師との信頼関係だと思います。

細部に関しては判らないところがたくさんあります。
だけど、こと医療に関しては、よく調べるとごく基本的な科学の知識で理解が出来るはずです。
そして、医療は、その単純な科学の積み重ねです。
随分前に書いた「マジック」では無いことが分かるのです。

ついでに言えば、医師や病院の立場というのもあります。
例えば、手術適用の際の洗浄細胞診については、プラスであったとしても術後の予後に影響しないという論文も出ていて、ガイドライン的にも明確な前提とはなっていません。
ですが、病院の立場として「洗浄細胞診がマイナスでなければ手術をしない」ということもあるでしょう。

これを知っている場合、医師に対してセカンドオピニオンは言い出しやすく理解してもらうのも容易だと思います。
そして、その前提があれば、医師もリスクとゲインをもう少し患者目線でみてくれるに違いないです。

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  1. 2014/08/09(土) 22:01:41|
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医師との信頼関係(2)

洗浄細胞診と腹腔内観察

癌がおなかの中を浮遊していないか?小さな転移が存在していないか?
これは、術後の再発度合いを予想するために重要な検査だと判りました。
さらに、明らかに転移がある場合に手術をしない(手術が出来ない、というニュアンスではありません)というのも理解できました。

では、その検査している時間というのは、手術のタイミングを逃す可能性はないのか?
実はまだこの時点でも「なんとか手術さえしてしまえば・・・」という気持ちでいたのです。
その質問に、先生は明快な答えを出しました。
「癌の転移や成長にはそれなりの時間が掛かります。将来的に転移や成長の可能性がある状態、つまり洗浄細胞診でがん細胞の浮遊が確認されたりした場合には、まだ抗癌剤がよく効く状態です。結果的に、その時点で手術をしたとしても、再発の可能性が非常に高い状態でがん細胞を残して、抗癌剤で押さえ込めない状態にしてしまっては元も子もない。だから、仮に開腹時に目に見えない状態であっても、その数ヶ月前の状態(がん細胞が浮遊している状態)を確認することは利益になる」と。

なるほどと頷けました。

検査次第ではあるけど、仮に洗浄細胞診も腹腔内観察でもがん細胞が見つからなかった場合、手術が出来ることになります。
もちろん、実際には開腹してみて無理な場合も有り得ますが。
その場合でも、術前抗癌剤の投与をするべきで、その方が治療効率が良いと言うこと。
そうすると、少なくとも、手術まで6ヶ月ぐらいの抗癌剤投与はしたほうがよいということ。

その他、抗癌剤投与だけとする方法、全く違う治療をする方法、全く治療をしない、全ての選択肢を出してその利得を説明してくれました。
保険診療となるもの、自由診療となるもの、ガイドラインとしての治療方法。

これらの説明を聞いたときに、どうして保険診療というのが「認められた治療」なのかが判りました。
つまり、臨床試験に於いて、「ある程度の効果が認められたモノ」として保険診療になる、ということ。
最先端の治療は、言葉の印象とは違って「どれだけ効果があるか判らない」だから保険診療とならない、ということ。
エビデンス重視という考え方は、「普通の治療」といったような印象の標準治療、ではないと判ったのでした。

時間との闘いではあるのでしょうが、まずはある程度の実績のある治療方法からはじめる。
これはそんなにおかしな選択肢ではありません。
そして、それは結果的には保険診療になるのだ、ということ。

ついでに後に、この「保険診療」というのもちょっと印象が違っていたんだと気がつくことがありました。
保険で支払われるのは、例えば薬そのものではありません。
簡単な例で言えばロキソニン。痛み止めで有名な薬ですね。
当然、健康保険で7割りが負担されるものです。
ですが、これは大事な条件があります。
それは、おそらく大多数の一般人が誤解しているところです。
薬そのものが、保険の対象になるのではなく、治療とセット・・・つまり、症状とセットと言えば良いのかな?
だから、保険適用のロキソニンであっても、「下痢で受診した場合は、ロキソニンは保険適用外」となってしまうということです。

が、それはここでは大きな問題ではありません。
ただし、これは後に出てくる臨床試験の治療に関して、大きな意味を持ってきました。

話を戻します。
先生は「せっかくの時間ですから、疑問点がありましたら遠慮無く聞いてください」と仰いました。
そこで、僕は本当はあまりしないだろう質問を先生にしました。

「ウチの家族は、くすり屋をやっているので、健康食品が容易に手に入ります。先生は、これら健康食品(その時はもっと具体的な名称で言っています)について、どう思われますか?」と。
僕は
「そんな効果がわかっていないものにお金を使うのは無駄です」と怒られるかな?と思っていました。
しかし、先生の答えは違っていました。

「その商品は、確かに癌に効くとか、効かないとかいろいろと言われています。私はその商品について調べたことがないですし、大規模な臨床試験が行われたわけではありませんから、効くとか効かないとかの答えを持っていません。ですから、処方する薬との複合効果で悪影響がないのであれば、自由に試して頂いて結構ですよ」と。

否定も肯定もしない。エビデンス重視の考え方。
だけど、その可能性も否定していない。
これを「答えになっていない」と言う人もいるでしょうが、僕はこの答えに妙に納得出来たのです。
ああ、むやみやたらに理屈だけじゃないし、可能性というのを色々な面から見ている。
これは信用したいな、と。

そこで僕はやっと、「先生、これからの治療、よろしくお願い致します」と言えたのでした。

もうちょっと続きます・・・

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  1. 2014/08/09(土) 20:51:44|
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医師との信頼関係(1)

「え?手術じゃなくて、検査なの?」

この時、僕は電話口で猛烈に怒ったような気がします。
前の病院で言われていた手術の期日が近付いてきているのに、まだ検査とはどういうこと?

僕らはまだその時、がん という病気をよく分かっていませんでした。
膵臓がんの情報は調べれば調べるほどブルーになりました。
目に付くブログも、読み進んでいくうちに残念な方向に行く場合が多かったです。
その中で、「手術をする」というのがどれだけ支えになっていたのか。
そもそも検査の日ばかりが過ぎていって手遅れになったりしないのか?

こんなことをストレートに電話口で話しました。
主治医ではないその医師は、ちょっと困ったような声色で、だけど確実にいつもの予想通りというような反応でした。
「それでは、詳しくは主治医から連絡させます」と。
それ以上は説明してくれませんでした。

程なくして、転院を誘ってくれた医師(主治医)から電話が入りました。
いつも通りの優しい口調で、
「それでは、明日の夕方以降に時間を取りますので、ゆっくり説明させて頂けませんか」と。
もう、元の病院に戻ることも出来ないし、これに従わざるを得ませんでした。

今思うと、この時のこの時間が、これからの治療と、信頼関係の第一歩だったような気がします。

翌日、外来の待合室にはいつもの混雑はなく、ひっそりしていました。
そこに現れた先生は
「突然あのような電話になってしまって申し訳ありませんでした。」といつものにこやかな顔ではなく神妙な顔つきで挨拶されました。

別室で詳しい話を聞くことになりますが、これが結果的には2時間以上の説明でした。
まず、画像から病状の想定。
膵頭部の癌が胆道を圧迫していて胆嚢炎になり、それをステントで流れるようにした、というのが現在の状況。
腫瘍は30mm位で、大きな血管(門脈)に絡みついている可能性がある。
ステージという言い方をするのは難しいが、敢えて言うならば3から4の間。
手術をすることは技術的には可能である、との説明でした。

では、なぜそれ以上の検査をするのか?
そもそも予定していた検査は、何か?

洗浄細胞診と、腹腔内観察という検査を説明されました。

がんの手術が出来る条件があり、それはもちろん「治る」という見込みが高いという条件です。
外科的に手術が出来る、技術的に手術が出来るということだけではない、とのことです。

例えば、手術をしても、すぐに再発・転移をしたのならあまり意味が無い。
体の一部を切って、回復できる状態であるかどうか?
そんなことを総合的に判断しないと、手術は出来ないのです。

先に書いた、洗浄細胞診は、がんの転移の可能性を診ると言っても良いでしょう。
癌が転移する場合、いろいろな可能性が考えられますが、がん細胞が他の臓器に辿り着いて増殖する道筋として、血管(血液)、リンパ(リンパ液)、腹水、があります。
腹水による転移は、膵臓の場合、膵臓内部のがんが外側に出始め、もしくは肥大して外に出て、その細胞を直接おなかの中に撒き散らす状態です。
これらが、腸や腹膜に定着して、がんの小さな粒がばらまかれた状態、これを腹膜播種(ふくまくはしゅ)と言います。
この、腹水経由の転移の可能性をみておかないと、せっかく「目に見えるがん」を技術的に取り切ったとしても、すぐに再発してしまう、と。
そのために、おなかの中に生理食塩水を注入して、これを取り出し、がん細胞が浮遊していないかどうかを調べる検査が、洗浄細胞診。
さらに、腹膜播種は、CTの画像分解能では調べられません。大抵のCTの解像度は0.5mmスライスであったとしても、1mmぐらいの識別は困難だと言うことです。そこで、直接腹腔鏡で腸内を丁寧に覗くということ。

これらが達成されないと、手術に踏み切っても良い結果にはなり得ない、とのことでした。
これは、膵癌の治療ガイドラインもおおむねその通りで、腹膜播種は転移巣だと判定されます。
つまり、転移巣があると言うことは、本体のがんが転移できるルートが出来てしまっていると言うことだから、手術をしない、と、

これらは、言われてみればその通りのことでしたが、今まで考えてもみなかったことでした。
というよりも、今まで色々な人のがんの話題を聞いていたはずなのに、こんな話は初めてだったのです。

そういえば、ずいぶん昔に、ある親類が癌と診断され、大腸、小腸、胃の一部にがんが見つかりました。
その病院では「手術は出来ない」と言われました。
別の病院で、なんとか手術をしてもらい「目に見える癌は全部取り除いた」と言われました。
喜んだのもつかの間、結局すぐにがんが再発してしまいました。
この時は、前述のような転移の考え方があったのかどうか判りませんが、最初の病院での「手術は出来ない」という回答は、「手術をしても利益がない」という意味だったのでしょう。
別の病院での「目に見える癌は取った」っていうのも、結果的には「目に見えない癌は確実に残っていた」ということ。
このような結果になることを、最初の病院では経験的に知っていたのかも知れません。

つづきます・・・

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  1. 2014/08/09(土) 18:33:40|
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